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半分勝手にNON日記 1
かつて(?)在った。
その日その時を川柳にしたためては放出するという「風のBAR歌会」。

最近はちとお休み中とのことですが、NONさんが詠んだ歌たちをご紹介します。

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 詠み人:「風のBAR」の婆 (かぜのばーのばば)

 青森在住。女性。五七五七七の制作は小学校以来とのこと。
 この数字に収まることが少なく、575は作れない。
 短時間、思いつきのみでランダムに作歌。
 ちょっと飲まないと作れない。
 しかし作ろうと思って飲んでも作れないとのこと。

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2005年9月12日 (月) 『津軽・短歌七首』

 弁天の宵宮は終わり すねもがら
 扉叩くも 声えひもせず

 宝塚 宝の塚と呼び慣れて
 時こそ経てば たれぞ持てかん

 我知らず たんげだべなと津軽弁
 遊びせんとや 生まれけむだじゃ(3分の1盗作)

 焚き火のごとく 生む物である
 力を借りて 我はなんでも 彼はなんでも

 下げたとて 下げようもないこのまんま
 ひねもすのたり 力尽きるまで(3分の1盗作)

 尋ね人 たうざを見つけ 気は毛なり
 喜ぶ細胞 あくびして暴る

 琵琶弾くも 新機構なれば我が旧機
 クリックの空し へこたれるもんか

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2005年9月24日 (土) 『長月・短歌四首』

 みやすけれ みやすけれども文字化けの
 うろう彼方に我が身こそばかこの

 キーボード 近頃とみにうちそこのう
 わが指ほかに いいたきことありや

 いみのこと おもへばおもふそのたびに
 無意味も意味も忘れざらむとて

 ぬばたまのくらげの舞うとるこのブログ
 ウミノアオソラノアオにもなにげにつうず

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2005年10月18日 (火) 『神無月・短歌五首』

 なまぬかの 熱なり帯びて たまさかの
 糸をほぐすも 猫そばに居り

 くちゃべんな 言の葉とうに 枯れゆきて
 実をば育む これ隙もなし

 たんげだと 笑う者笑え われこそは
 無知の無知なる 所以こそもて

 繰り返し 繰り返すことの アルチザン
 あこがれるものの これアートマン

 チャンコ鍋 栄養満点 相撲取り
 闇鍋喰らう 吾NO NAME

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2005年11月 9日 (水) 『霜月・短歌拾壱首』

 わの鯨 水面下にてうとうとる
 そはうたかこえか なは神か聴覚

 雨降りて これ日常あれ非情?
 いんやいや我が腹に本生 水の気に生く

 鯨の腹 わが体内かくるまれる
 いずれにしても 入れ子の夢見

 めしどきだ こなことやっちゃいられない
 葉っぱとってこ と子に言うも夢

 本ですよ 読みなさいと言われても困る
 文化は寝ながら 手に触れるもの(ほんまか)

 このへんの若い子 「わあ」という
 「あ」の伸び方が共感切望

 旅の人 足が疲れましたか
 湯を用意します たらい一杯分

 食べ盛り 食べる幸せ喰らう喰らう
 毒も栄養 腹に五感あり

 五星ごとく立つ ダビンチ正解
 解剖しても バランスは見えん

 ちんころりん せめてそのように生きたきや
 あっちでちんころ こっちでちんころ

 ポレポレや ポロポロと人の吐く言葉
 遠吠えより地面に近く いずれもまこと

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2005年11月11日 (金) 『家族・短歌六首』

 物事の大小 どうにでもなる
 たとえば娘の続く外泊

 だいどこに キンカンいきなり並んでる
 ソースやぽんずと並んでる あや

 暗い朝 今夜行こうか行くまいか
 灯り欲しさに 迷う一服

 痰切りの繰り返し日常そのつどに
 体から出づ天使悪魔なべて

 整然をガダダビダだというならば
 わの乱脈はサンホセへの道(てか)

 くるうえる くるいうる くるったひとわがきゃうだい
 よのなか やさしいことはすくなめ

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2005年11月21日 (月) 『ウニ八首』

 摺りガラスのむこう 洪水のごとし
 歓声 嬌声 もご、ひとりごと

 見ないふり してもがんとある まぼろしなのに
 あるってことは あたしもまぼろし

 ウニがいる 蒸された汝 わが胸へ
 胃へというには その味はおおらか

 ウニという ただ私らはウニという
 あなたはだあれ 私はだあれ

 舌がイク 喉元過ぎて 内臓も
 思い起こすは 君が胸元

 あじわいの たれそつねならむ おもひでの
 たかが人なり されど人なりだっつう

 くたぶれて 人でもないよな わが気配
 掃除するよな 呼び声の海より

 わたいは深い 深いよ なんの特別でもなく
 浅い人なんか ほんとはいないよ皆深い はず

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2005年11月29日 (火) 『冬の初めの十首』

 うつならば 日常茶飯事 夢うつつ
 自ら励ます うす明るさも まんずまず

 口惜(くちお)しい ことはもうない 後悔は
 後にも先にも あったしあること

 一歩でも 進むことだば たいへんだ
 後ずさりしない それせいいっぱい

 一瞬の 眼にしたものの 清涼は
 寂しさにもつうず 甘い夢は寂しい

 よかよかと 笑っているよ いつの日か
 笑えないことに 出会う蓄電

 たぶんそれは 覚えてること 味わったこと
 このからだ細胞 ぜんぶわかってる

 テロだって? なまぬかな言葉 やめてくれ
 あれは あれはあれは レジスタンスだべ

 もしかして だまされたいの ねえあんた
 だまされた老後 夢も奪われている

 裸で立つ のが苦手じゃけんね 装うの
 だけれどいいの どおせ見え見え

 よっしゃあ!と おらは自分の尻叩く
 片方破れた 靴下直す



気をとりなおして追三首

 ロマンスを抱きしめて 胸はやわらかく
 人から見たら つまようじでも

 いつの日か 煮えくり返るのか 凪に見え
 父はそのまま 海の向こうへ

 焚き火焚き火 これが欲しいと気づく夜
 やぶからぼうに 夢にて燃えよ

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2005年12月 2日 (金) 『今夜は零下三度の11首』

 そりゃあもう 生身がいいさ 抱きしめは
 でも 絞めるのは やめようね

 やりすぎる やらなさすぎる つねにあり
 かんじんなのは 「あんばい」だ

 誤差10グラム あたしもちっとは職人の域!?
 実生活は そんなでありゃせん

 飯作る ある意味基本中の基本
 今日はつくらん 狩りにでも行くか(では狩れん)

 イノチガケ 安吾はそう言った 題したよ
 あたしのなかで 変身遂げ 生く

 包丁持て 怒りのなかで捨てる
 刺してすみゃあせん 倍返し以上

 雪が来た 震えの所在 寒さかな
 脳細胞体細胞 初期のみ騒ぐ

 暗がりのなかでのみ 夢見る昨今
 白昼のリアル しばしごぶさた

 花舞えよ 雪でもよかと 皆舞えよ
 子すら親すら 舞いたいじゃろうよ

 車音(くるまおと) 路面の濡れを 伝え来ぬ
 春のうつつを 待つ耳に聞こゆ

 やがて音は消える 真冬の道行きの
 まもなく白き 気配に沈潜す我

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2005年12月10日 (土) 『あまり寒くて どさ?ゆさ10句』

 ふぶいでら 鳥だぢ どごでなにしてら

 私なんか いじめたい心 鎮めてる

 ふくらんで また戻る月 わも息す

 気が遠い 手をのばしたら シリウスだ

 生身どうし 温め合いたい 寒い冬

 まちなかや 人間一人 60ワット

 電話口にて 会えぬあなたに 息を吐く

 風呂ちゃっぽん 目閉じるもんか 天井眺む

 シンクロて 意識でやったら 黒すぎた

 なんもいらん あんたの手や胸 側にあれ

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2005年12月14日 (水) 『雪明かり5句3首』

 降るや降る ほら 人道に雪明かり

 影浮かぶ身も浮かぶ まことの閾(いき) いずこ

 試される 誰にでもなく このオレさ

 試すなよ いやいや試せ われなれば

 誰一人 非人ではなし 息あらば

 映される 顔また顔の 知り合いの
 あそこの町の あの人の

 ほんまでっか たれぞもつまこと 君知るや
 だましだまされ 苦汁のみ感ず

 悪業に 笑いもできず泣きもせず
 演出不在の 暗闇映画

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2005年12月15日 (木)

 風のBAR---非アルコヲル非ドラグの君らに酔い添う飲み物あるよ

 風呂入りて ぼー 宇宙のこととして 君らを想う

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2005年12月17日 (土) 『寒気団を迎える5首』

 ロマンチックてなもんこそげとられゆく日々
 それが私にゃいちばんなのに

 捨てるでなく 膨らますでなく ありうるを
 探る日々こそ 我の道行

 食いちらかし やがて捨てらるものをこそ
 見つけまさぐる 人の手の生

 靴鳴らし 行くのをやめた 裸足の人よ
 その足下に 冷気か熱か

 気の迷い それも受け止め 生きぬるは
 年でない性(しょう)でない 定めでもない

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2005年12月19日 (月) 『恥ずかしながらLOVE3首』

 コンプレックス その無意味 いや 普遍をよ
 君 解説でなく 解いてくれたよ

 二人で見る 空はびゅんと 伸びて広く
 つなぐものとして 私ら地球

 エイチを遊び アイに遊ぶよ まるで子ども
 オペレーション不要 不安より高くブランコ

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2005年12月20日 (火)

 日本の掟 目に見えず 我ら埋もれあがく
 (テレビで三国連太郎のベルリン旅を見て/ふと太地喜和子を思い出す/好きな女優だった)

 きんこんかん 結婚式の鐘じゃねえ 私の筋の凍る音

 氷の城 雪の女王 メルヒェン総出で もうすぐ冬至

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2005年12月26日 (月)

 そうそう ぽっぽ 寒い季節は心で暖房

 寒雀 柿の木に群れ 食を得る

 この町は しばれ路線の出発点
 風が電車を 動かすよ

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2005年12月31日 (土) 『暮れては明ける7首』

 気の小さき者どうしが出会いしを
 認むるに十年 戻れぬも良し

 空背負い 少しばかりの願いを胸に
 いくつになっても よちよち歩く

 友言うた 雪は風景を消毒す
 詩をもてこの世に生きず 渡さる

 忘れたり 変わるべくもない ことばかり
 もどかしさ笑う 冬の風鈴

 また一年 時に情けはあらずとや
 いや 伸び縮みしてくれている

 めくるめくめまい めをとじ めらにゅうむ
 まさぐる記憶 視るだけも生

 冬室(ふゆむろ)の 暖気の赤に 青も添う
 海に空照り 空に海映え 森よ

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NONさんの言葉の選び方は本当におもしろい。きっと本来辛辣であるはずの何かの批評でさえ、NONフィルターを通すと、やわらかくふわふわなものに生まれ変わるような気がする。大盛りに盛られた毒はどこ行っちゃった?と、なる。それは話していても同じで、選ぶ言葉と繋げ方というのはやはりその人を表すんだなぁ。そんなのはよく考えると当たり前のことだが、どうにもうまく説明できない気持ちだ。「NONさんぽい」というのが一番うまい説明文かもしれない。

それから、地元弘前でのライヴが決まりました!
詳細は近日お知らせ致します。

(次回更新予定日 2/28)
by nonband | 2008-02-24 21:15 | 管理人より | Comments(0)
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<< 地元・青森でのライヴ決定です。 インタビューのようなインタビュ... >>



このブログを立ち上げてくれた元祖管理人及び副管理人が多忙のため、最近はNON本人がしこしこ記事をアップしとります。
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