木の懐にたたずみ 君を想う
鳥の飛ぶそのかたち 君を想う
空を見て 君を想う
ふと、なんだ。
想いたくなる。
水を飲むみたい。
でもきっと あなたのことだけじゃないんだ
いろんな人がわたしのまわりで生きていて
だいじに思うこともあれば そうじゃないときもある
みんなだいじと頭で思っても じぶんの気がまわらないときがたくさんある
しんから好きと感じる人を その折りその折りとくべつ大切にするにしろ
何人もの人が 「イマ生キテイル」ことがすごいんだ
ちょっとずつ時間をずらしながら この地上で今生きている
そんなことを含めて 君を想っているような気がする今夜だ
母の寿命はあと百年もないだろう
遠い昔に死んだ たくさんの知っていた人たち
久しぶりに見た ほやほやの命
そして ひどくつかれぎみの命
本意じゃなく 終わる命
かわりばんこ みな輝いて朽ちていく
あなたと抱き合いたいと思うとき
あなただけのことじゃないんだ と
ささやかに感じながら
想う
時間の
風の
音。
やさしい
はげしい
さびしい
くやしい
しんどい
つかれた
やわらかな
がちがちの
人間の 命も 魂も
すべて 空に 土に
還っていきますな
動物も 木も 虫も魚も
混ざりますな
そのときは わたしはわたしでなく
あなたはあなたでないのか
きっとそうだが なってみないと わからない!